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AI第4次ブームとAGIへの道のり | 2026年問題を解説

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最近、ChatGPTなどによりAIをよく耳にすると思いますが、実はAIって今回が初めてのブームじゃないんです。人工知能の世界では、これまでに3回の大きなブームがありました。そして今、私たちは生成AIが牽引する第4次AIブームの真っ只中にいます!でも「2026年問題」って聞いたことありますか?AIの成長が止まるかもしれないという、ちょっと気になる話もあるんです。この記事では、AIの歴史から汎用人工知能(AGI)への道のり、そして私たちの未来まで、わかりやすく解説していきます。

目次

AIって昔からあったの?知っておきたい4つのブーム

第1次〜第3次AIブーム:それぞれの特徴

実は、AIの世界では今回が4回目のブームなんです。まず第1次AIブーム(1950年代~1960年代)は、「推論と探索」の時代でした。コンピュータが数学の定理を証明したり、チェスを指したりする研究が盛んに行われました。しかし、当時の技術では複雑な問題を解くことができず、期待されたほどの成果は得られませんでした。

次に第2次AIブーム(1980年代)は、「知識ベース」の時代と呼ばれています。専門家の知識をコンピュータに覚えさせる「エキスパートシステム」が注目を集めました。医療診断や故障診断などで活用されましたが、知識の入力に膨大な手間がかかることが問題となりました。

そして第3次AIブーム(2000年代~2010年代)は、「機械学習とビッグデータ」の時代です。大量のデータからコンピュータが自動的に学習する技術が発達し、画像認識や音声認識の精度が飛躍的に向上しました。ディープラーニングという技術により、AIが人間の能力を上回る分野も出てきたんです。

第4次AIブーム:生成AIが変えた世界

現在私たちが体験している第4次AIブーム(2020年代~)は、「生成AI」が主役の時代です。ChatGPTやGPT-4などの大規模言語モデル(LLM)が登場し、まるで人間のように自然な文章を書いたり、質問に答えたりできるようになりました。

生成AIの特徴は、これまでのAIが「認識」や「判断」を得意としていたのに対し、「創造」や「生成」ができることでしょう。文章だけでなく、画像や音楽、プログラムコードまで生成できるんです。これにより、クリエイティブな分野でもAIが活用されるようになり、私たちの働き方や生活に大きな変化をもたらしています。

人間

第4次AIブームでは文章や音楽、画像などを「生成」できることがこれまでのAIブームの違いといえますね。

産業革命の歴史から見るAI革命の位置づけ

18世紀〜現代:4つの大きな変革

AIの進化を理解するには、過去の産業革命と比較してみるとわかりやすいでしょう。人類は歴史上、4つの大きな変革を経験してきました。

人間

第1次産業革命(18世紀後半)

蒸気機関の発明により手工業から機械工業へと移行しました。工場での大量生産が可能になり、人々の働き方が大きく変わったんです。

人間

第2次産業革命(19世紀後半)

電力の活用と石油化学工業の発達により、さらなる工業化が進みました。電気の普及により、夜でも働けるようになり、生産性が飛躍的に向上しました。

人間

情報革命(1990年代)

こちらは聞き覚えのある方も多いかと思います。コンピュータとインターネットの普及により情報化社会が到来しました。世界中の情報に瞬時にアクセスできるようになり、グローバル化が加速したのです。実際今ブログを見ているのもインターネット上で行なっていると思います。

2023年から始まったAI革命の特徴

現在進行中のAI革命(2023年~)は、これまでの革命とは異なる特徴を持っています。最大の違いは、知的労働の自動化が可能になったことでしょう。

これまでの革命では主に肉体労働や単純作業が機械に置き換わりましたが、AI革命では文章作成、翻訳、プログラミング、デザインなど、創造性を必要とする分野でもAIが活躍しています。

また、AI革命の進歩スピードは過去の革命と比べて格段に速いのが特徴です。ChatGPTは2022年11月にリリースされてから、わずか2ヶ月で1億ユーザーを突破しました。これは、これまでのどんな技術よりも早い普及速度なんです。

2026年問題って何?AIの成長が止まる?

高品質データの枯渇問題

AIの成長に欠かせないのが、学習用の高品質なデータです。しかし、ここで大きな問題が浮上しています。それが「2026年問題」と呼ばれる現象なんです。

現在のAIは、インターネット上にある膨大な文章や画像を学習することで賢くなっています。ところが、近年のインターネットには低品質な情報やAIが生成したコンテンツが増加しており、学習に適した高品質なデータが相対的に減少しているのです。

一部の研究では、2026年までに高品質な学習データが枯渇する可能性が指摘されています。これはあくまで予測であり諸説ありますが、もしデータが不足すれば、AIの学習効率が低下し、進歩のスピードが鈍化する可能性があります。

悲しげなロボットと空の箱
データがなく悲しいAI

機械学習への影響と対策

データ枯渇が現実となった場合、機械学習にはどんな影響があるのでしょうか?まず考えられるのは、AIモデルの性能向上が頭打ちになることです。新しいことを学習するためのデータがなければ、AIはそれ以上賢くなることができません。

しかし、この問題に対する対策も考えられています。一つは合成データの活用です。AIが作り出した人工的なデータを使って学習を続ける方法ですね。また、少ないデータでも効率的に学習できる技術の開発も進んでいます。

さらに、データの質を向上させる取り組みも重要でしょう。低品質な情報を排除し、信頼性の高いデータソースを確保することで、2026年問題を回避できる可能性があります。

人間

一般にSNSなどの文章は低品質なデータとされ、その反対に新聞であったり本、ブログなどは高品質とされることがあります。

汎用人工知能(AGI)への道のり

生成AIから強いAIへ

現在のChatGPTなどの生成AIは、確かに驚くほど賢いのですが、実は「弱いAI」と呼ばれるカテゴリーに属します。弱いAIとは、特定のタスクに特化したAIのことで、文章生成は得意でも、同時に画像を認識して音楽を作ることはできません。

一方、「強いAI」「汎用人工知能(AGI)」と呼ばれるものは、人間のようにさまざまな知的活動を柔軟にこなすことができるAIです。文章を書きながら、同時に数学の問題を解き、創作活動もできる。つまり、人間と同等またはそれ以上の知能を持つAIなんです。

現在の生成AIからAGIへの進化には、いくつかの技術的なハードルがあります。例えば、異なる種類の情報を統合して処理する能力や、長期的な記憶と学習能力、そして何より自己改善能力の獲得が必要とされています。

強いAIと弱いAIについてはこちらの記事で解説していますので、合わせて読んでみてください!

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シンギュラリティとは何か

AGIの実現と密接に関わるのが「シンギュラリティ(技術的特異点)」という概念です。これは、

AIが人間の知能を超え、自分自身を改良し続けることで、予測不可能なスピードで進歩していく転換点

のことを指します。

シンギュラリティが到来すると、AIは自分よりも賢いAIを作り出し、そのAIがさらに賢いAIを作る、という無限ループが始まります。これにより、人類の歴史を大きく変える可能性があるとされているんです。

多くの専門家は、シンギュラリティが2045年頃に到来すると予測していますが、最近のAIの急速な発展を見ると、もっと早まる可能性も指摘されています。ただし、これがもたらす影響については、素晴らしい未来を約束するという楽観的な見方から、人類にとって脅威となるという懸念まで、さまざまな意見があり、現時点でこうである!と断定することはできないのです。

AIと一緒に歩む未来への準備

ここまでAIの歴史から未来への展望まで見てきましたが、最後に私たちがAIとどう付き合っていけばよいかを考えてみましょう。

まず大切なのは、AIを恐れすぎず、過度に期待しすぎないことです。AIは確かに強力なツールですが、魔法ではありません。現在のAIにも限界があり、人間の判断や創造性が必要な場面はまだまだ多いのです。

次に重要なのは、継続的な学習でしょう。AI技術は日々進歩しているため、最新の動向をキャッチアップし続けることが重要です。ただし、技術の詳細を全て理解する必要はありません。自分の仕事や生活にどう活用できるかという視点で学んでいけば十分です。

人間

AIへの不安や過度の期待がないよう、AIについて学ぶこと、AIとは何かを知ることが大切です。

そして何より、AIを使いこなすスキルを身につけることが大切です。例えば、ChatGPTを使う場合でも、適切な質問の仕方(プロンプトエンジニアリング)を覚えるだけで、得られる結果の質が大きく変わります。

AIの進歩は止まりません。2026年問題やシンギュラリティなど、未来には様々な可能性が待っています。しかし、技術の進歩に不安になったり過度な期待をするのではなく、AIのことをよく知り、できることできないことを理解しておくことが最も大切だと考えます。

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